Voice 留学体験談
84才のフランス留学 ~黄金の1週間~
福田さん
PROFILE
ご職業 | 社会人 |
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国・都市 | フランス、パリ |
期間 | 1週間(2013年10月) |
学校 | ホーム ランゲージ インターナショナル |
参加プラン | フランス 先生の家でマンツーマン語学研修ホームステイ |
有意義な海外旅行をしたかった
ことの起こりは私の娘の発想です。同居している娘が「しばらく外国へ行っていないから、そろそろどこかへ行こうよ、どうせ行くなら何か有意義なものが良い!」と話していたところ、偶然電車内の広告でISSを知り、これだ!と思ったのです。パリでも田舎でも良いからフランスへ行こう、娘は働いているので期間はせいぜい1週間と決めて相談を始めました。若い頃フランス語を勉強していたので、私の目的はフランス語のブラッシュアップ。娘は薬剤師で外国人顧客と接することもあるので英会話の力を付けること。この2つが上手くマッチするコースを当たってもらった結果、翻訳家で英語とフランス語両方の教師資格を持つ夫人宅でホームステイ可能という極めてラッキーなプランが決まったのでした。私は趣味の音楽活動(ヴィオラを奏く)が結構忙しく、所属するアマチュアオーケストラの本番日程を考慮して決行は10月になりました。
大事件…パスポートを間違えた
さて出発。ところが信じられないトラブルが起きました。当然、娘と一緒に大阪関空から飛ぶ予定であったのに、私の不注意で期限切れの古いパスポートを間違って持ってきたため娘独りが先に出発し、私は丸一日遅れの便で出発となってしまったのである。しかしISSからの連絡で、ホストファミリーの息子さんがわざわざ私の為に小籏を持って空港まで迎えに来てくれました。お陰で私は苦労することなく合流できたのでした。
先生でホストファミリーのアンヌ夫人
先生であるアンヌ夫人の家はパリ市内の東、地下鉄駅に近く、築110年の古いアパルトマンでした。彼女はサラリーマンの息子と美術学生の娘と3人暮らしで、教養のある中流階級といった感じでした。
さて翌日から勉強開始。いきなりフランス語文法50問の洗礼を受け、何とか85点をゲットし一先ずホッとしました。その日以降は午前中をレッスンとしアンヌ夫人の指導を受けることになる。娘は英会話、私は中級程度のフランス語学習ではあるが、複雑なところは英語で説明してくれたので理解が楽でした。午後は地下鉄を乗り継いで美術館巡り、夜は専ら音楽会というパターン。オペラ「アイーダ」はアンヌ夫人がインターネットオークションで予約券を確保してくれました。滞在中、アンヌ夫人は友人を自宅に招いてホームパーティを開いてくれたり、私達の趣味を知って友人のヴァイオリン作りの工房に案内してくれたり、彼女の母親宅を訪問して手作りのお菓子をご馳走になったりもしました。
栄光の日は遂に来たれり
最後に自慢話を一つ。帰国前日に娘と二人でオランジェリー美術館へ出掛けたら、着いてびっくり、日曜日のせいか大行列。最終尾には2時間待ちの立札が。幸い1時間程で長い行列の先頭になりました。我々の後ろに並ぶ熟年のパリジェンヌ達は係員に早くロープを外せと文句タラタラ。ようやく係員が来てロープを外そうとしたその時、私は後ろを振り向きざまに昔覚えたフランス国歌「ラ・マルセエーズ」の第二節「栄光の日は遂に来たれり!」の部分を流暢なフランスで叫んだのである。途端に湧き上がる歓声と拍手。キャーキャー喜んでくれたが、東洋の老人が何でフランス語をと訝った人達も居たに違いない。パパは少し余計なことを言い過ぎると時々私に説教する娘も、この時は流石に「今の一言は良かった、溜まっていた不満が一遍に吹っ飛んだ気分だった」と褒めてくれた。かくして短くはあったが、パワー全開の1週間の海外研修は無事終了。
さて、今年はどこへ行こうか。