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実は日本発祥の食べものと、実は日本発祥じゃない食べもの

日本の食文化は、その豊かさと多様性から世界中で高く評価されています。和食だけでなく、洋食や中華料理を取り入れた日本独自の料理もたくさんありますよね。たとえば、天ぷらやそば、うどんなど、日本発祥と思われる料理が多いですが、意外にも日本生まれの食べ物が他にもあるんです!また、日本発祥のように見えて実は海外から伝わった料理もあります。この記事では、「実は日本発祥の食べもの」と「実は日本発祥じゃない食べもの」の歴史や背景を詳しくご紹介します。

実は日本発祥の意外な食べもの

日本で日常的に親しまれている料理の中には、海外から伝わってきたと思われがちなものも多くあります。しかし、それらの中には実は日本で誕生した料理も数多く存在します。日本人の創意工夫と食文化の発展によって生まれたこれらの料理について、詳しく見ていきましょう。

エビチリ

エビチリは、中国料理だと思われがちですが、実は日本で誕生した料理です。この料理を考案したのは、四川飯店の創業者・陳建民。1958年に日本で四川飯店を開業した際、豆板醤の辛さが日本人には強すぎると感じ、ケチャップを加えることで辛さをマイルドにし、日本人向けにアレンジしました。このケチャップを使ったエビのチリソースが、今日の「エビチリ」です。シンプルで家庭料理にも取り入れやすいエビチリは、四川料理の伝統と日本人の味覚の融合から生まれた、日本独自の中華料理として多くの人に愛されています。

天津飯

天津飯は、日本発祥の中華料理で、実は中国では見られない料理です。ふわふわの卵にカニやエビ、ネギなどを加え、ご飯にのせた上から、とろみのある餡をかけるこの料理は、関東や関西で広く親しまれています。関東ではケチャップを使った赤みのある餡、関西では醤油や塩を使った透明な餡が主流で、地域ごとに異なるバリエーションも楽しめます。天津飯の発祥には、1910年に浅草で創業した「来々軒」や、大阪の「大正軒」が考案したという説があり、いずれも日本で独自に生まれた料理です。

ナポリタン

ナポリタンは、トマトケチャップで味付けされた日本発祥のパスタ料理です。第二次世界大戦後、横浜のホテルニューグランドで、進駐軍がケチャップで味付けしたスパゲッティを食べていたのをヒントに、当時の総料理長・入江茂忠がアレンジして生まれました。タマネギやピーマン、ウィンナーを炒め、ケチャップで絡めたスパゲッティは、家庭でも手軽に作れる料理として広まりました。名前に「ナポリ」が入っていますが、イタリアには同様の料理は存在せず、完全に日本で生まれた洋食の一つです。

オムライス

オムライスは、日本で生まれた洋食の代表的な一品です。名前の通り、「オムレツ」と「ライス」を組み合わせたもので、チキンライスを薄焼き卵で包み、ケチャップやデミグラスソースをかけて食べます。この料理は、日本独自の発明であり、アメリカやヨーロッパには見られないスタイルです。

オムライスは、東京銀座の「煉瓦亭」と大阪心斎橋の「北極星」が発祥とされています。煉瓦亭では、1900年に忙しい厨房で手早く食べられる賄い料理として誕生し、翌年から「ライスオムレツ」としてメニューに加えられました。一方、北極星では1925年に、胃の弱い常連客のためにケチャップライスを卵で包んだものが提供され、これが現在のオムライスの原型となりました。

ショートケーキ

ショートケーキは、ふわふわのスポンジケーキに生クリームとイチゴを組み合わせたシンプルで美しい日本発祥の洋菓子です。1920年代に日本で初めて作られたこのスタイルのショートケーキは、クリスマスケーキとしても広く親しまれています。

日本式ショートケーキの誕生にはいくつかの説がありますが、1922年に不二家がクリスマスケーキとして販売を開始したことがその始まりとされています。このショートケーキは、アメリカやフランスの影響を受けつつも、日本人の嗜好に合わせてアレンジされました。特に、ふんわりとしたスポンジ生地に軽やかなホイップクリームを使用し、上に新鮮なイチゴを飾るという組み合わせは、日本独自の発展を遂げ、現在ではケーキ店や家庭で定番のケーキとして広く愛されています。

実は日本発祥じゃない意外な食べもの

一方で、日本で広く愛されている料理の中には、日本発祥だと誤解されているものもあります。これらの料理は、海外から伝わり、日本で独自に発展してきたものです。ここでは、意外と知られていない、日本発祥ではない食べものを紹介します。

寿司

寿司の起源は東南アジアの発酵食品「なれずし」にあり、魚を保存するために米を発酵させたものでした。奈良時代に日本に伝わり、保存食として使われていた「なれずし」は、室町時代に発酵期間が短縮され「なまなれ」となり、米も食べられるようになりました。

江戸時代には、米酢を使った「早寿司」が普及し、発酵を必要としない握り寿司が誕生しました。特に江戸で広がった「江戸前寿司」は、屋台で人気を集め、明治以降、冷蔵技術の発展とともに全国へと広まりました。

天ぷら

天ぷらは、もともとポルトガルから伝わった「南蛮料理」に由来するとされています。16世紀にカトリックの宣教師が日本に伝えた調理法で、「テンポーラ(斎日)」が語源だといわれています。ポルトガルでは斎日に肉食を避け、代わりに魚や野菜を小麦粉の衣で揚げた料理を食べていました。

その後、天ぷらは日本に根付き、江戸時代には庶民の間で屋台で売られるようになり、今では日本を代表する料理となりました。江戸ではごま油を使った「江戸前天ぷら」が人気を集め、天つゆをつけて食べるスタイルが確立されました。

また、明治時代には天ぷら専門店が登場し、現在では庶民の食卓や専門店で親しまれています。

豆腐

豆腐は中国で紀元前2世紀に前漢の劉安によって作られたとされていますが、これは16世紀の中国の書物に基づく説であり、他にも諸説あります。豆腐が日本に伝わったのは奈良時代で、遣唐使が仏教とともに持ち帰ったとされています。平安時代後期に豆腐が文献に登場し、鎌倉時代には禅宗の精進料理として豆腐が重要な食材となりました。

江戸時代には豆腐屋が街中に多く見られるようになり、庶民の食卓に欠かせない食材となりました。また、豆腐を使った料理は多岐にわたり、冷奴や湯豆腐、揚げ出し豆腐など、地域ごとに独自のバリエーションが生まれています。

とんかつ

とんかつは、もともとフランス料理「コートレット」に由来する料理です。コートレットは、薄く切った仔牛の肉にパン粉と卵をつけて焼くものでしたが、日本ではこの料理が独自に発展しました。1899年、東京の洋食店「煉瓦亭」で、豚肉を使い、油で揚げるスタイルが生まれ、「ポークカツレツ」として提供されました。この料理が日本人の口に合い、やがて「とんかつ」として親しまれるようになりました。その後、箸で食べやすいように工夫され、ご飯と味噌汁をセットにした定食スタイルが定着しました。

まとめ

日本の食文化には、実は日本発祥ではないものや、逆に日本で誕生したことがあまり知られていない料理が数多く存在します。これらの料理の背景を知ることで、食事の楽しみが一層深まります。また、食文化は国境を越えて影響を与え合い、独自の進化を遂げるものです。食べ物の歴史やルーツを探ることで、異国の文化や歴史を理解する手助けとなります。

例えば、エビチリや天津飯、ナポリタン、オムライス、ショートケーキといった料理は、日本人の創意工夫から生まれたものです。一方、寿司や天ぷら、豆腐、とんかつなどは日本で独自に発展したものの、元々は海外から伝わってきた料理です。これらの料理は、日本の食文化に深く根付き、現在では日本人の日常生活に欠かせない存在となっています。

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