海外の高校生活ってどんなもの?~オーストラリアの高校生活体験記~
もし海外の高校に留学するとなったら…一体どんな生活が待っているのか想像できませんよね。2020年に30周年を迎えるISS留学ライフでは、これまで個人や学校団体の多くの方に、オーストラリアの現地校研修をお手配してきました。そこで学生やスタッフが見たオーストラリアの高校生活をご紹介します。
オーストラリアの学期
オーストラリアの学期は4学期制で、各タームの間に2週間、新学期の前には6週間程の休みがあります。オーストラリアの季節は日本と逆なので12月中旬から2月までの夏休みが一番長いのは日本と同じです。
また新学期の始まりも2月と、アメリカやイギリスに比べ日本のスケジュールと近いため、日本の学校からの転校がしやすくなっています。3月に日本の高校1年生を終了した後、オーストラリアの2学期から入学することも可能です。
それではさっそくオーストラリアの高校生活をご紹介します。
登校
オーストラリアの高校は公立が多く、ほとんどの生徒が家から近い学校に通学しています。通学は徒歩、バス、親御さんによる車の送迎など様々です。バスも学校専用の「スクールバス」というのもあまりなく、公共交通機関のバスを利用します。
登下中校に野生のコアラ発見!?
都市部から少し離れると一気に大自然の中の学校になります。野生の動物に出会うこともしばしば。下の写真は実際にオーストラリアのアデレードの学校に通った生徒が、朝の登校中に発見して撮影したコアラです。
時間割
オーストラリアでは10年生(日本でいう高校1年生)で義務教育を終え、11.12年生は大学進学や将来進む道を考慮し、選択科目を履修します。よって時間割は自分で選択した科目でカスタマイズされます。日本の大学のようなイメージです。
各時限の休み時間は無い
日本だと1時間目と2時間目の間に5~10分の休み時間があり、トイレや教室を移動する際はその時間を利用しますが、オーストラリアにはその時間はありません。レッスン1が10:00に終わったらレッスン2は10:00に始まります。
とはいえ教室を移動することは必要なので、10:00までのレッスンは先生のさじ加減で9:55くらいに終わり、レッスン2は10:03くらいに始まります。トイレも授業中に自由に行くことができます。
時間に縛られていない自由な国民性が表れていますよね。
RECESS(リセス)
前述にあげたように各時限の間に休み時間が無い代わりに、「RECESS(リセス)」という時間があります。なかなか聞きなれない言葉ですが、いわゆる「おやつタイム」です。日本だとランチの後の15:00くらいがおやつタイムということが多いので、ランチの前におやつタイムというのは不思議な感覚ですよね。
おやつは家から持参したシリアルバーやチップス、クッキー、フルーツなど様々です。育ち盛りの男の子はリセスの時間に既にランチを食べたりもしています。「早弁」てやつですね。
リセスとランチは外に出るのがルール
リセスとランチの時間は、原則外に出てお弁当を食べるのがルールとなっています。理由としては、生徒の健康、防犯のためだそうです。ですのでその時間には教室のドアはカギがしっかり閉められて、途中から入ることもできなくなっています。先生たちは当番制で見回りもします。
お弁当を食べ終えると男の子はサッカーやバスケットボールなどで遊び、女の子はベンチなどに座っておしゃべりしている様子がよく見られます。
お弁当箱はタッパーが人気
学校内に購買もありますが、ほとんどの学生は家からお弁当を持参します。中身はサンドイッチ、フルーツ、スナックが基本。どれもかさばるためオーストラリアの学生の持つお弁当箱は大きなタッパーが人気。中にはA4サイズのタッパーも⁉
小学生からマイパソコン
上記の時間割にある「グラフィックデザイン」のように、デジタルマーケティング、フォトグラフ、プログラミングなどパソコン技術を養う専門科目が多く存在します。そのためほとんどの高校生が自分のノートパソコンを所持していて、学校の課題をパソコンで行います。
また、専門科目だけでなく小学生から英語や社会等の必須科目の課題や試験がレポートであることが多く、低学年のころからパソコンに慣れている子が多いです。
日本には無い科目も
前述の「グラフィックデザイン」だけでなく、あまり日本には無い科目をいくつかご紹介します。
体育
体育の授業自体はどの国でもありますが、その中で行うスポーツはオーストラリアならではのものです。
ネットボール
バスケットボールを基に、イギリスで生まれたスポーツ。日本でも行われている競技です。バスケットボールのドリブルが禁止でパスだけでボールを回していく、というイメージです。
日本ネットボール協会
オーストラリアンフットボール
オーストラリアではAFLというプロリーグもある人気のスポーツです。ボールや動きはラグビーに近いですが、ボールを前にパスできたり、パスはボールを投げるのではなくパンチで飛ばす、など違うところもあります。
日本オーストラリアンフットボール協会
ドラマ
「演じる」授業は日本では部活やサークル活動でしか見受けられませんが、オーストラリアでは小学校からこのドラマの授業があります。
ただ台本通りの劇を行うだけでなく、パントマイムをしたり、「愛」をテーマに自由に踊ったりと、様々な表現方法を学びます。オーストラリアの人の感情表現が豊かなのもうなずけますね。
第二言語
日本では2020年より小学校の英語(第二言語)が必須となりますが、オーストラリアでは10年以上も前から公立の小学校で第二言語を教えています。また、日本では「第二言語=英語」の一択ですが、オーストラリアでは主にイタリア語、ドイツ語、中国語など自分で言語を選べることが多いです。その中にもちろん日本語も含まれており、日本からの学生が留学に行く学校では、第二言語で日本語を教えている学校が多いです。そのため日本語を学んでいる生徒がいるので、日本人に対して好意的な学生が多いのです。
ビジネス学
ビジネス学やマーケティング学など専門科目については、座学でなく1つのプロジェクトをグループで行うことが多いです。日本でいう大学のゼミのようなものです。グループで課題を進めることで、役割分担や個々の意見を尊重しながら意見をまとめ、物事を進めていくことを学びます。
1年生でほぼ100%進路が決まっている⁉
前述の通り、10年生(日本の高校1年生)で義務教育が終わり、11.12年生は選択科目となります。そのため10年生が終わる段階ではほぼ全員が選択科目=進路が決まっているのです。もちろん全ての人が選択した科目の通りの大学や就職に就く訳ではありませんが、自分の将来についてじっくり考えるタイミングが必ず16歳でやってくるのです。
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