日本も9月入学になったら、海外留学しやすくなるの?
2020年の春には新型コロナウィルス感染防止のための休校措置が取られ、地域によって差はありますが、2~3ヵ月程の休校期間があった学生さんが多いかと思います。この休みの分を取り戻すべく、以前から議論されていた「9月入学(秋入学)」の議論が活発になってきました。
9月入学のメリットとしてあげられている、「海外留学がしやすくなる」は本当でしょうか?
[toc]まずは、海外の教育システムを見てみましょう。
海外の教育システム(欧米型)
「9月入学」と聞いてイメージするのが、アメリカやヨーロッパなどの欧米ですよね。例えば、アメリカの大学に進学する場合、大きく3つのパターンがあります。
① 語学学校で勉強してから、大学に進学する
② アメリカの2年制大学(コミュニティカレッジ)へ進学し、その後4年制大学へ編入する
③ 4年制大学に直接進学する
上記の③のパターンで4年制大学に直接入学する場合は、日本も「9月入学」になったほうがスムーズであり、留学しやすいと言えるかと思います。ただ、③の場合には「一定の語学力」が必要です。大学や学部にもよりますが、TOEFL iBTテストで60点前後のスコアが必要であると言われています。(TOEICでいうと600点、IELTSでいうと5.0くらいのスコアです。)スコアを満たしていても、英語オンリーで専門分野を学ぶ学部の授業についていくのはかなりハードルが高くなってきます。
これらの理由から、実際には ①または②の選択を取る方が多くなっています。詳しく見ていきましょう。
① 語学学校で勉強してから、大学に進学する
語学学校の中には、「大学進学」や「コミュニティカレッジ進学」に強いとされる語学学校があります。語学学校に入る場合、基本的には毎週月曜日入学が可能です。中には、月1回の推奨入学日を定めている学校もありますが、年に何度も入学のチャンスはあります。どのくらいの期間を語学学校で過ごすのかは元の語学力と頑張りによって変わってきますが、多めに1年間くらいと考えると…
日本が4月入学/3月卒業の場合 | 4月から1年間語学学校 ⇒翌4月入学が可能なアメリカの大学に絞られる |
日本が9月入学/6月卒業の場合 | 6月から1年間語学学校 ⇒アメリカの大学に9月入学が可能 |
上記のように考えると、日本も「9月入学」であれば、よりスムーズなスケジュールが組めるともいえます。ただ、語学学校で過ごす期間は人それぞれとなるので、一概に「9月入学が良い」と言えるかは微妙なところです。
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② アメリカの2年制大学(コミュニティカレッジ)へ進学し、その後4年制大学へ編入する
続いて、コミュニティカレッジ(2年制大学、以下コミカレ)に進学し、卒業後に4年制大学の編入を目指す場合です。
例として、ISSで多くのお客様が卒業後に4年制大学進学に成功しているグリーンリバーカレッジのプランを紹介します。
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上記のプランであれば、入学のタイミングが1月・4月・6月・9月の年4回あります。高校を3月に卒業し、4月あるいは6月にコミカレに入学するパターンが取れます。高校卒業時点での語学力が高くなくても、“条件付き入学”といい、最初は英語の勉強だけするコースもあるため安心感があります。コミカレは通常2年間ですが、語学力や単位の取得状況によっては2年以上かかる場合もあります。3年間かかったというお客様もいらっしゃいます。
ここでは、予定通り2年間でコミカレを卒業後に4年制大学進学をする場合を考えてみましょう。
日本が 4月入学/3月卒業の場合 | 4月から2年間コミカレ ⇒4月入学が可能なアメリカの大学に編入 |
日本が 9月入学/6月卒業の場合 | 9月から2年間コミカレ ⇒アメリカの大学に9月入学が可能 |
①の場合と同様、結局はコミュニティカレッジでどのくらいの期間を過ごすかによって状況は変わりますが、日本が「9月入学」になれば、比較的スムーズなスケジュールを組めると言えるでしょう。
アメリカの例をあげて紹介をしましたが、カナダやイギリスもほとんど同じようなスケジュールとなっています。
海外の教育システム(オセアニア型)
では、南半球のオーストラリア・ニュージーランドなどのオセアニア地域はどうでしょうか?
オーストラリア・ニュージーランドの学期制は、欧米とも日本とも異なります。オーストラリア・ニュージーランド共に、2月が新学期となる大学がほとんどです。
オーストラリアでは6月の冬休みを挟んでの2学期制、ニュージーランドでは4学期制が取れらることが一般的ですので、日本が「9月入学」であろうと、現行の「4月入学」であろうとどちらも欧米留学よりは合致しないことになります。オーストラリア・ニュージーランドの場合、アメリカのようなコミュニティカレッジは一般的ではないため、①語学学校or ③直接入学のどちらかとなりますが、①の場合はアメリカ同様、語学力次第となります。③の場合は、高校を卒業し、翌年2月の入学のタイミングを待つ必要が出てきます。その場合は、日本が「9月入学6月卒業」の場合のほうが、入学を待つ期間が少なくなるのでメリットがあると言えます。
日本が 4月入学/3月卒業の場合 | 4月から10ヵ月弱、語学学校 ⇒オセアニアの大学に翌2月入学 |
日本が 9月入学/6月卒業の場合 | 6月から8ヵ月弱、語学学校 ⇒オセアニアの大学に翌2月入学 |
結局は、語学力次第になります。高校卒業後、すぐに大学に入れる語学力があれば9月入学のほうがより良いですし、語学力が不十分であれば1年近く語学学校に通う必要があるので4月入学のままのほうが良いでしょう。
「4月入学」「9月入学」それぞれのメリット
日本が現行通り「4月入学」のままの場合のメリットは、大学入学までの期間(欧米で約5ヵ月、オセアニアで約10ヵ月)に語学等の準備をすることが可能な点です。
・語学の勉強ができる
・余裕を持ってビザ取得の準備ができる
・現地に早めに行って、生活に慣れることができる
一方、「9月入学」に変更した場合のメリットは、時間のロスを少なくして、留学に臨むことができる点です。10代の若い時に留学をされる方が多いかと思いますが、留学で学年がずれる上に単位が取れず留年をする可能性もあるため、就職のタイミングが日本の同級生より1~3年程遅れることもあります。そのため、高校卒業からできるだけ時間をあけないで留学したいという方には、こちらの方が魅力的かもしれません。
ただ、前述の通り、語学やビザ取得の準備という点では慌ただしさがあるのも事実です。 国・都市・学校・語学力により状況は異なりますが、 高校を6月に卒業し、海外の大学に9月に進学するためには、語学力と高校の成績が不可欠です。時期的なことを考えるよりは、高校を卒業するまでにできるだけ語学力を身につけておくことと、目の前の高校の勉強に一生懸命取り組み、出来るだけ良い成績を修めることに努めることが鍵と言えます。
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